【Ristorante Thomasリストランテトーマス】地域全体を幸せにする地産地消のあり方
2024.12.18
廿日市市大野にあるイタリアン「リストランテトーマス」の増本さんは、独自のアプローチで地産地消に取り組んでいる。
地産地消に取り組む多くのレストランでは、普通、あらかじめ設定しているメニューに合わせた食材を地元生産者から仕入れる。でも「リストランテトーマス」では、地元食材の特性を活かし、それに合わせて調理法を変えていく。そうやって生まれた料理の代表となるのが、廿日市小麦を使った特別なピザだ。
食材を活かし、地域独自の食文化を創造する
廿日市産の小麦と魚介を使った「山と海のピザ」
「単に地元のものを消費するだけではなく、地域食材の特性を活かした食文化を創造していきたい」と増本さん。そのためには、生産者の思いを理解し、食材の価値を消費者に伝えていくことが重要だと語る。
有KINGの廿日市小麦「キヌヒメ」を使用したピザ生地
廿日市で生育から製粉まで一貫して行われた小麦を使ったピザ生地は、増本さんの熱意に応え、生産者協力のもと生まれた。独自のブレンドにより、滑らかな質感があるのが特徴だ。
生産者・食材について詳しくはこちら >>
製粉機を使い、厨房で製粉を行う。より繊細な味を求めて石臼挽きできる環境も準備中だ。
「生産者の思いを消費者へつなぐことこそ、レストランの使命」と語る増本さん。こうした取り組みを通じ、独自の食文化の創造や、地域の魅力向上にもつながっていくことが期待される。
廿日市の食材とフランス料理の技法をミックスしたピザ
ピザソースはフランス料理の古典的な技法を用いて、野菜や魚の骨を煮込みワインでまとめていく。廿日市の海の恵みがたっぷり詰まった濃厚なエキスとなる。
ぎっしりとした小麦の生命力を感じられる生地に、具材はクルマエビやタイ、ヒラメなど、日によって変わる。食材の1から10までを自分たちの手で生み出したピザは、世界中でここにしかない。
「廿日市で生まれた発想をもとに、食材の生産から調理までを自分たちのオリジナルで取り組むことも、地産地消の一つの形」と語る増本さん。料理を通じて人々に幸せな記憶を提供し、この街に住みたい・働きたいと思う人が増えるような地域づくりへつながることを目指している。