【コンディトライ・フェルダーシェフ】はらいちごのフレッシュな極上スイーツ
2025.03.18

廿日市市上平良にある洋菓子店「コンディトライ・フェルダーシェフ」は、厳選された材料を使ったケーキや焼き菓子、パンを製造販売する本格ドイツ菓子店。なかでも廿日市市のブランドイチゴ「はらいちご」を使ったスイーツは、多くのファンに愛されている。
「廿日市いちごファーム」のはらいちご

かつて廿日市市平良地区は、イチゴ栽培が盛んな地域だった。しかし生産者の減少により、一時はその文化が衰退。それを復活させるために立ち上がったのが「廿日市いちごファーム」の山本さんだ。
フェルダーシェフのオーナー・田頭シェフもまた、その想いに共感し、開店初期からはらいちごを使用したスイーツ作りに力を入れてきた。20年以上にわたり、山本さんとの信頼関係を築きながら、その年ごとのイチゴの出来に応じて最適なレシピを考案し続けている。
摘みたてのイチゴが放つフレッシュな味わい


はらいちごのタルト
「はらいちごのタルト」は、摘みたてイチゴのフレッシュな甘酸っぱさを味わえる季節限定の人気商品。
「地元産のイチゴを使う最大のメリットは鮮度です。近くの畑で収穫したばかりのイチゴをすぐにスイーツに加工できるので、香りや甘み、酸味が際立ちます」と田頭シェフは語る。
「廿日市いちごファーム」では近年、地植え栽培に回帰。これによりイチゴの味がより濃くなり、風味が際立つようになった。田頭シェフ自身、過去には収穫作業を手伝っていたこともあり、「つい先ほどまで大地と繋がっていたイチゴを、数十分後にはスイーツにできる。この圧倒的な鮮度の高さこそ、地産地消の最大の強み」と強調する。
イチゴが旬を迎える2〜3月ごろからは山本さんとほぼ毎日顔を合わせるほど密にやりとりをしており、突発的な予約に応じて急遽収穫し、即日届けてもらうこともあるという。その柔軟な対応と深い信頼関係こそが、フェルダーシェフのイチゴシーズンを支えている。
B級品イチゴを活用した新たな価値創造

はらいちごのマシュマロ
フェルダーシェフでは、市場に出回らないB級品のイチゴも積極的に活用している。形が不揃いだったり、小さすぎたりしても、美味しさに変わりはない。これらをジャムやコンポート、ピューレに加工し使用することで、食材を無駄なく使い切る取り組みも行っている。
春の人気商品「はらいちごのマシュマロ」は、卵白を使わずにいちごのピューレのみで作るこだわりの一品。自然な甘みとフワフワ感が楽しめる、他にはない味わいだ。

①はらいちごのピューレと糖分を鍋で煮詰める

②ゼラチンを加え、ミキサーでしっかりホイップする

③型に伸ばし冷やし固め、カットする

「大粒のイチゴはタルトに、酸味が強いものはジャムやコンポートに。同じタルトであってもイチゴの状態に応じてレシピを調整しますし、お客様に最高の状態で味わっていただけるよう、試行錯誤を重ねています」と田頭シェフ。
また、フェルダーシェフでは、イチゴ以外にもプラムやルバーブ、ブルーベリーなど、廿日市産の果物を使用している。特にプラムは「はつかいちプラム農園」から仕入れ、タルトや焼き菓子に取り入れている。
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地産地消を支える、地域とのつながり

店内にはケーキの他に伝統的なドイツの焼き菓子、パンが並ぶ
フェルダーシェフでは、はらいちごの季節が近づくと、「今年のイチゴはどう?」と地元の人々からの問い合わせが増える。「はらいちごの取り扱い開始を心待ちにして、SNSをチェックしているお客様も多い」という。
田頭シェフと山本さんは、毎年イチゴの出来を確認しながらスイーツ作りを共に模索する仲間でもある。その関係性から生まれる至高のスイーツが、地域のファンを惹きつけている。
地元の食材には、その土地の気候や土壌の個性が詰まっているもの。「遠くから取り寄せるよりも、新鮮な状態で使える地元の食材を大切にしたい。これが私たちのこだわりです」と田頭シェフ。
廿日市の恵まれた自然と生産者の情熱が詰まったスイーツを、ぜひ一度味わってみてほしい。


マイスターが作る本格ドイツ菓子のお店【FELDERCHEF フェルダーシェフ】
2020年6月に外観のリニューアルをしたフェルダーシェフ。 ドイツで修業し、ドイツマイスターの資格を持つシェフが、本場の伝統の素材と味にこだわったケーキや焼き菓子を作っている。 「廿日市の文化になりたい。」というオープン当初からの思いを今も一貫して抱き続けているシェフ。 「ここにこのお店があってよかった。」とお客様に感じていただき、商品・お店がこの地になじんで融合していくよう、日々試行錯誤を楽しんでいる。