【宮島鮨 まいもん】宮島の農家と紡ぐ、地産地消の創作イタリアン

2025.01.29

宮島口のフェリー乗り場からほど近い場所に佇む「宮島鮨 まいもん」。この店を運営する原田シェフは、地元農家との深い信頼関係を基盤に、寿司とイタリアンを融合させた独自の料理で地産地消を実現している。

「単に地元食材を使うだけではなく、生産者との信頼関係を築き、互いに成長していけることが重要」と語る原田シェフ。その信念のもと、地元宮島の農家が丹精込めて育てた自然栽培の野菜を中心に使用し、そのときどきの食材に合わせた創造的な料理を提供している。

宮島・中岡農園の自然農法の野菜

原田シェフが仕入れるのは、宮島唯一の農家・中岡農園から届けられる新鮮な野菜。中岡農園では自然農法を採用し、化学肥料や農薬を一切使わずに野菜を栽培している。雑草を生かし、耕さない畑で育つ野菜は、味が濃く香りが強いのが特徴で、野菜本来の力を感じられる。時期に応じて収穫できるものをお任せで仕入れており、原田シェフは「お任せで届いた食材を見てからメニューを決めるほど、中岡農園のファン」だと語る。

間引き白菜の前菜

宮島・中岡農園の「間引き白菜」

間引き菜とは、生育の過程で株間を確保するために混み合った部分を取り除いた際の若菜。炙ることで白菜の水分が閉じ込められ、甘味や食感が増す。

「間引き白菜の前菜」

オリーブオイルやチーズで仕上げ、白菜本来の優しい風味と、イタリアンの香り豊かな味わいを楽しめる前菜。「農家さんと直で付き合っているからこそ、面白い野菜が入ってくる。間引き白菜はフレッシュでえぐみがなく、生でも美味しく食べられる」と原田シェフ。

里芋を使ったブリの洋風照り焼き

宮島・中岡農園の里芋

オーブンでじっくり火を入れ、生クリームと牛乳を合わせる。

ブリを赤ワインと蜂蜜、バルサミコのソースでイタリアンな照り焼きに。

コースのメイン料理として提供する「ブリの洋風照り焼き」。

濃厚でねっとりとした里芋と、イタリアン仕立ての照り焼きソースが絶妙に調和している。

立地柄、観光客の来店も多い。宮島産の野菜を使用していると伝えると、多くの方が喜ばれる。「料理を提供するだけでなく、食材の背景や物語を伝えることで、地産地消の意義を共有したい」と原田シェフ。

地域に根ざした飲食店の未来

原田シェフが目指すのは、地元農家と手を携えながら地域全体を盛り上げること。そのため、生産者を訪ねて畑を見学し、意見を交わすなど、顔の見える関係づくりを大切にしている。

「宮島鮨 まいもん」の料理。それは単なる食事ではなく、地産地消の想いを形にした一皿だ。「生産者の思いを大切にし、食べる人に美味しいと思ってもらえる料理を届けたい」と原田シェフ。農家のこだわりが生み出す唯一無二の味わいと共に、ここでしか味わえない特別な時間を堪能してほしい。


元イタリアンシェフが作り出す、多彩な創作寿司【宮島鮨 まいもん】

広電宮島口駅より徒歩5分。 宮島の玄関口に佇む隠れ家のような非日常的空間で、瀬戸内の旬の食材や、石川・北陸の美味しいものを少しずつ、たくさん味わえるお店“宮島鮨 まいもん”。 美しく並ぶ行燈の間を通り、入り口の暖簾をくぐると、雰囲気のある落ち着いた店内に、窓からは穏やかな瀬戸内海が一望できる。