【中岡農園】山本悟史さん・千内さんの自然農法野菜

2026.03.06

開拓者の魂を引き継いだ「中岡農園」の名の由来

廿日市市宮島町の「大砂利(おおじゃり)」。観光客でにぎわう宮島のちょうど裏側、瀬戸内の海を見下ろす斜面に段々畑が広がっています。ここで山本 悟史(さとし)さん・千内(ちな)さんご夫妻が農業を営んでいます。

農園名の「中岡農園」は、夫妻の苗字ではありません。戦後、江田島から移り住んだ中岡さんという方が、岩だらけの土地に一段一段石垣を積み上げてこの畑の基礎を作ったことに由来します。「自分たちが畑の名前をつけるのはおこがましい。中岡さんの開拓精神を受け継ぎたくて」と千内さん。農業を始める前、悟史さんはホテルのサービス業、千内さんは自然食品店でのアルバイトを経て、この地に腰を据えました。

耕さない、農薬もない。自然の力で育てる野菜

中岡農園が実践するのは「自然農法」です。トラクターも耕運機も使わず、草刈り機と手作業だけで約4反(約40アール)の畑を管理。農薬も化学肥料も一切使いません。「土の微生物や自然の営みをなるべく壊さないことで、植物本来のエネルギーを活かすシンプルな農業」と悟史さんは語ります。

さらに力を入れているのが自家採種(じかさいしゅ)。毎年種を採り続けることで、宮島大砂利の気候や土を「記憶」した野菜に育てています。ネギ・玉ねぎ・スナップエンドウ・ズッキーニ・ケール・そら豆・人参など多彩な品目を栽培しており、切り干し大根などの加工品も手がけています。「宮島ブランドというより、自然の中で育った健康な野菜であることを一番大切にしています」。

ピンチはチャンス。気候変動と向き合いながら

今年の冬、何百羽ものヒヨドリが畑を襲い、葉物野菜が全滅。13年間で初めて出荷を休止する事態になりました。年々厳しくなる夏の猛暑も農業を難しくしています。「毎年決まっていた種まきの時期も、もう全然変わってきた」と千内さん。

それでも夫妻に暗い顔はありません。ヒヨドリの被害を受けた時も「いい畑には鳥がたくさん来るって聞いていたので、良しとしようと思って」と笑います。野菜の少ない端境期(はざかいき)には、チューリップやアジサイ、ウド・ワラビ・フキなどの山菜を宅配セットに加えるアイデアも生まれました。「ピンチはチャンス。自然の変化に敏感でいられることが、農業の面白さでもある」と悟史さんは前向きに語ります。

「錦水館」との縁と、地域をつなぐ食

農業を始めた当初、畑にはワラビしか生えていませんでした。収入もないなか、毎日収穫したワラビを宮島の旅館「錦水館」に届け続けたことが縁の始まり。今では野菜をおまかせで受け入れてもらっています。「国内外のいろんな方に食べてもらえる機会を、錦水館さんが作ってくれている。それは小さい農家では到底できないことで、本当にありがたい」と千内さんは感謝します。

個人向けの宅配セットは現在受付がいっぱいで、順番待ちの状態です。悟史さんはこんなメッセージを残してくれました。「もし身近な食に興味を持ったなら、まず近所を見渡してください。畑があったら、"少し分けてください"って声をかけてみてほしい。作り手との関係の中で食べる野菜は、何にも代えがたい美味しさになりますから」。

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記事引用元:FMはつかいち〈はつかいち産がさいこー!〉

生産者名中岡農園 山本悟史さん・千内さん
生産地域廿日市市宮島町大砂利
生産物自然農法野菜(ネギ・玉ねぎ・スナップエンドウ・ズッキーニ・ケール・人参 ほか多数)、山菜(ウド・ワラビ・フキ)、花、切り干し大根(加工品)
生産時期通年(品目は季節により異なる)
購入可能場所季節のおまかせ宅配セット(現在受付いっぱい)
宮島・錦水館でのお食事

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