【ハローズ宮内店】独自モデルで切り拓く食品ロス削減と地域支援
2025.02.19

24時間営業型の食品スーパーマーケットチェーン「ハローズ」は、食品ロス削減に向けたさまざまな取り組みを行っており、フードバンクを運営する団体への支援も行っています。支援の開始時にはイギリスのコミュニティパントリー(地域の食品庫として、支援が必要な方々に無償で食料を提供する事業)を視察し、日本に合った形で協力できる方法を模索してきました。今回は、ハローズ宮内店の店長・仁井さんに、現場での取り組みについて詳しくお話を伺いました。
フードバンクとは? ハローズの独自支援「ハローズモデル」
フードバンクとは、企業や個人から寄付された余剰食品を、必要としている団体や人々に提供する仕組みです。2015年よりフードバンク運営団体への支援を開始したハローズは、従来の支援食品の流通とは異なる仕組みを取り入れた独自の支援方法「ハローズモデル」を確立し、注目を集めています。

この仕組みは、フードバンク運営団体との協力の中で「近隣店舗から直接引き取ることはできないか?」という現場の声から生まれました。この方法では、支援を受ける団体が近隣のハローズ店舗で直接食品を受け取ることができるため、タイムラグが生じにくく、より効率的な支援が可能となります。従来のフードバンクでは難しかった「当日消費期限の商品」や「生鮮・冷蔵品」も提供できるようになり、支援先に届けられる食品の種類が増えました。
また、運搬や仕分けにかかる労力や燃料費の削減にもつながり、環境負荷や労務コストを抑えながら、効率的な支援と食品ロス削減を両立しています。

曜日ごとに異なる支援団体が、余剰食品を受け取りに来店されます。

フードバンクに提供される食品の一例:パッケージの破損などで販売できなくなった商品
社内の意識改革と24時間営業の影響
「フードバンク支援の取り組みは、従業員の意識改革にもつながっています」と仁井店長は話します。余剰食品を集めて支援団体に引き取ってもらう流れが目に見えることで、「廃棄量」を意識するようになり、製造段階での適切な数量管理が行われるようになりました。今まで機械的に業務をこなしていた従業員の間でも「何個売れたのか」「何個廃棄になったのか」といった点に関心を持つ人が増え、社内の意識が高まっています。
また、24時間営業であることも廃棄削減に大きく貢献しています。販売機会が増えることで食品ロスの発生を抑えられるほか、様々な企業努力の積み重ねにより、年間を通して食品ロスの量が大幅に削減されています。

「てまえどり」を促す店内POP
持続可能な支援体制の拡大に向けて

ハローズでは、フードバンク支援のさらなる拡大を計画し、同業他社にも協力を呼びかけています。他のスーパーマーケットやメーカーにも「ハローズモデル」を活用した支援の協力を促し、より多くの企業が食品提供に参加できる環境を整えることで、支援食品の種類や量の偏りを解消し、必要とする方々に安定的に届けることを目指しています。
「食を通じて好循環型の社会を目指す」ことを基本理念に掲げ、さまざまな取り組みを展開しているハローズの姿勢は、持続可能な社会の実現に向けた先進的なモデルとなっています。
このような取り組みが広がることで、社会全体の食品ロス削減や支援のあり方がさらに進化することが期待されます。また企業だけでなく、私たち一人ひとりが日々の買い物や食事の中で意識を高めることで、持続可能な未来への一歩を踏み出すことができるのではないでしょうか。
取材日:2025年1月28日

店名 | ハローズ宮内店 |
所在地 | 広島県廿日市市宮内4452番地 |
アクセス | 「六本松口バス停」から徒歩約1分 「JR宮内串戸駅」から徒歩約30分 |
電話番号 | 0829-37-2286 |
営業時間 | 24時間営業 |
営業日 | 年中無休 |
ホームページ | https://www.halows.com/stores/detail/115 |