【フレスタ廿日市住吉店】食品ロスを減らし、地域社会と歩む取り組み

2025.02.28

スーパーマーケット「フレスタ」を展開する株式会社フレスタホールディングスは、「SDGs推進室」を設立し、SDGs目標の達成に向けた企業全体の取り組みを強化しています。各店舗では、従業員が主体となって食品ロス削減などに取り組み、持続可能な社会の実現を目指しています。
今回は、フレスタ廿日市住吉店を訪問し、具体的な食品ロス削減の取り組みについて伺いました。

従業員の声から生まれた「社内フードドライブ」

年2回実施される「社内フードドライブ」は、店舗で発生した容器の傷や破損で販売が難しくなった食品の他、主に家庭で消費しきれない食品や贈答品を従業員が持ち寄り、それらを取りまとめて子ども食堂やフードバンクに寄付する活動です。各店舗で集めた食品は、団体への直接寄付または本部を通じて配布されます。

ひとり親家庭応援コミュニティへの食品寄付

この取り組みは従業員の「もったいない」という声をきっかけにスタートしました。寄付された食品の活用状況は各団体からのお礼状や報告書で確認でき、成果が見えることで従業員の意識向上にもつながっています。

「食品廃棄物の再資源化」から循環型社会を目指す

フレスタの多くの店舗では、商品加工の際に発生した野菜くずや惣菜の廃油などを専門業者に回収してもらい、堆肥化や肥料化に取り組んでいます。SDGs推進室の迫本さんは「現在は園芸用の肥料として活用されていますが、将来的には地元農家の方と協同し農作物へ使用することを目指し、循環型社会の形成に貢献したい」と意欲を語ります。

指定専門業者の屋内堆積場。
左右に見えるのが、集められた野菜くずなどの山。これらは再び堆肥や肥料などに活用されることで循環していきます。

「食品ロス削減推進サポーター」と各店舗での取り組み

食品ロス削減推進サポーター

店舗のリーダーが取得する資格「食品ロス削減推進サポーター」は、消費者庁が育成する人材です。廃棄量削減の意識啓発や改善活動をリードし、現在、全社で約30名以上が活躍しています。
このリーダー達による食品ロス数値の分析や改善策策定のほか、各店舗では天候や地域イベントを考慮した発注計画を毎日策定し、食品ロスのない営業を従業員一丸となって目指しています。

消費者への啓発と意識改革

「小さな行動でも、多くの方に協力いただければ大きな成果につながります」と外野店長。フレスタでは、「てまえどり」(棚の前方の商品を優先して購入する)の啓発や、賞味期限が近い商品の値引き販売、アプリでの食べきりレシピ掲載、家庭での食品ロスを減らすエコ料理教室の開催などを通じ、消費者への意識改革を進めています。

さらに、季節商品では事前予約を推奨し、廃棄を最小限に抑える工夫も行っています。たとえば恵方巻きの販売では、19時までに売り切れる計画を立て、食品ロス削減に努めています。

食品ロス削減を通じてフレスタが目指す未来

SDGsという言葉が普及する以前から、フレスタでは「もったいない」「無駄をなくそう」という精神を大切にしてきました。店舗営業では食品ロスを出さないよう注力していますが、万が一ロスが出た場合も、寄付を通じて社会に貢献しています。
「SDGsの普及に伴い、子ども食堂やフードバンクが設立され、従業員にも『こうした場所に寄付できる』という意識が広がりました」と外野店長は語ります。また、迫本さんは「企業全体の取り組みに対し、地域によってはまだ導入できていない部分もあり、今後、実施体制を整えていきたい」と意欲を示します。

従業員のネームプレートに掲げられている一人ひとりの「SDGs目標」

フレスタの食品ロス削減の取り組みは、単なる環境保全にとどまらず、地域社会との連携や従業員の意識向上にまで及びます。これらの活動は、トップダウンではなく現場からの声を重視している企業方針も大きな特徴です。
食品ロス削減を通じて、持続可能な社会を目指すフレスタの取り組みは、私たち一人ひとりが未来に向けてできることを考えるきっかけにもなっています。

取材日:2025年1月13日

店名フレスタ廿日市住吉店
所在地広島県廿日市市住吉1丁目2-45
アクセス「広電廿日市駅」から徒歩で約7分
「JR廿日市駅」から徒歩で約8分
電話番号0829-34-2789
営業時間9:00~22:00
店休日1月1日、2日
ホームページhttps://www.fresta.co.jp/