【(有)とくなが園芸】徳永和宏さんの切りバラ

2026.02.20

廿日市、隠れたバラの産地

「バラといえば福山」と思われがちですが、実は廿日市市は切りバラの県内最大産地。福山が庭で楽しむガーデンローズなのに対し、廿日市が作るのは花束やアレンジメントに使われる切り花のバラです。県全体の約4割にあたる年間約74万本を、廿日市市内の4軒の農園で出荷しています。
廿日市市上平良の(有)とくなが園芸では、年間約20万本という出荷量を誇ります。

年間20万本、周年出荷を支える技術

徳永園芸が採用するのは、ロックウール培地を使った水耕栽培。土の代わりにロックウールを使うことで、根域環境を安定させ、管理の再現性を高めています。

バラの最適生育温度は18〜25℃。真冬にはマイナス2〜3℃にもなる廿日市で、この温度を保つのは容易ではありません。「重油の暖房機とエアコンのハイブリッドで加温しています」。温度・湿度・日射量・CO2濃度をセンサーで可視化し、その日の条件に応じて運用を最適化。屋外開花期、ゴールデンウィーク、バラ祭り、母の日前後は特に多忙。「何日間か夜なべで頑張りました」と笑う徳永さんの言葉に、バラへの情熱が感じられます。

花持ち第一、三つの軸で選ぶ品種

「一番大切なのは、お客さんのところでいかに綺麗に咲いて長持ちするか」。徳永さんが最優先するのは「花持ち」です。次に色と形、最後に生産性。この三つの軸が揃った品種だけを生産に乗せるという厳格な基準が、トップレベルの品質を支えています。

バラの品種改良は、「失敗の方が多い」と徳永さん。種一個一個が全く異なる遺伝子を持つため、その中から市場ニーズに合うものを選抜していく作業は気の遠くなるような努力の積み重ねです。
「イメージ通りにできるものもありますが、稀です。たまたま神様から授かったものなんですよ」。こうして選び抜かれた美しいバラだけが、私たちの手元に届くのです。

30種の少量多品種、オリジナルブランドへの想い

徳永園芸では現在、約30種類のバラを出荷しています。濃淡のピンク、白、黄色、そして白地にピンクの差し色が入る「フラッシング」など、多彩な品種が揃います。
「少量多品種で、いろんなものをちょっとずつ楽しんでいただこうと思っています」。
毎年、国内外から新品種が登場。自社発表の品種に加え、海外業者の日本代理店経由で新品種も導入。生産性が悪かったり人気がない品種は淘汰され、常に進化し続けるバラの世界で、徳永さんは挑戦を続けています。

「廿日市産の長持ちする多様なバラを、ぜひ飾ってみてください。つぼみから開花までの動きと気品、そして生産者の想いを楽しんでいただけたら嬉しいです」。

記事引用元:FMはつかいち〈はつかいち産がさいこー!〉

生産者名(有)とくなが園芸 徳永和宏さん
生産地域廿日市市上平良1042
生産物バラ
生産時期年中(4・5月頃が旬)
購入可能場所市場経由での販売、事前予約による直接販売