【藤い屋】地元産小豆で作るもみじ饅頭

2026.02.20

耕作放棄地から始まった挑戦

もみじ饅頭の老舗『藤い屋』は、廿日市市友和で小豆栽培に挑戦中。藤井 嘉人社長と担当の田口さんが、耕作放棄地だった1.2ヘクタールの畑を開墾し、小豆を育てています。初年度は農業の大変さを知るため、種まきから刈り取りまで全て手作業で挑戦。「昔のままの農業をやってみよう」という思いから始まりました。

広島の気候との試行錯誤

小豆を広島で育てることの難しさは、気候の違いにありました。「暑いので育ちすぎて、鞘がつきにくい」と藤井社長。種まきの時期をわずか2週間ずらすだけで生育が大きく変わるため、この地域に最適なタイミングを見極めることが非常に難しいといいます。特に梅雨時期の種まきはタイミングが命。4年間の試行錯誤を重ね、今では栽培方法を確立しつつあります。

真夏の暑さと循環農法

「一番の苦労は、暑い時期に作業しないといけないこと」と藤井社長。7月の種まきから8月の生育期まで、真夏の炎天下での作業が続きます。発芽後1ヶ月は雑草との競争が激しく、小さな耕運機で何度も畑の間を走って除草作業を行います。小豆が大きくなれば雑草に負けなくなりますが、それまでが勝負。冬は畑を休ませ、自社工場から出る卵の殻などを利用した循環農法で土壌改良を実施。環境に配慮した持続可能な農業を実践しています。
山や川に囲まれた自然の中での作業について、田口さんは「すごく気持ちいい。種をまいたものがどんどん大きくなって収穫する、ゼロから1を生み出せる」と、農業の魅力を語ります。

100年先を見据えた原点回帰

1925年創業の藤い屋。97年前の創業当初は、地元の食材でもみじ饅頭を作っていました。「昔はこの辺りでも小豆や小麦を作っていたと、お年寄りの方から聞いて。当時の味を再現してみたい」という純粋な好奇心が、小豆栽培のきっかけでした。しかし、藤井社長の思いはそれだけではありません。「100年先もこの小豆が手に入れられるかわからない。もみじ饅頭を作り続けるために、身近な場所で原材料を確保できる土台作りが必要」と語ります。地元産の小豆で作られたもみじ饅頭は「優しい味」として、多くのファンに愛されています。農業がもたらす心の安定と、未来への布石が、この小さな畑には詰まっています。

記事引用元:FMはつかいち〈はつかいち産がさいこー!〉

生産者名藤い屋
生産地域廿日市市友和(はつかいち農場)
生産物小豆(白小豆)
購入可能場所藤い屋各店舗にて廿日市産小豆を使用したもみじ饅頭を限定販売