【マルシン水産】増木進一さんの地御前かき

2026.01.20

先代から受け継ぐ、地御前かきブランド

廿日市市地御前で、約50年にわたり牡蠣養殖を営む『マルシン水産』。現在は代表の増木進一さんが、父親から受け継いだ事業を守り続けています。17歳で牡蠣養殖の世界に飛び込み、今年で28年目。日本が誇る「地御前かき」ブランドを守り続けてきました。

かつては30軒以上あった地御前の牡蠣生産者も、後継者不足により現在は18軒まで減少。
少数精鋭となった今も、生産者同士で切磋琢磨しながら、伝統のブランドを次世代へとつなごうと奮闘しています。

厳しい海に立ち向かう

2025年の夏から秋にかけての記録的な高水温と高塩分により、牡蠣のへい死率が例年の倍以上、実に7割から9割にも達する未曾有の被害が発生しました。
通常であれば11月頃から始まる収穫シーズンも、今季は大幅に遅れています。

自然相手の仕事だからこそ、対策の難しさを痛感すると増木さん。
高水温や高塩分への直接的な対策はなく、皮肉なことに「ある程度の台風は、海の中をかき混ぜてくれるから必要」という一面もあります。災害は避けたい一方で、海の環境をリセットする自然の力も必要。そんなジレンマの中で、今日も海と向き合い続けています。

技術を活用し、養殖環境を見極める

地御前漁協青年部では、最先端のテクノロジーを導入し、牡蠣養殖の未来を切り拓こうとしています。
沖合の漁場には、水温やエサの量をリアルタイムで確認できるセンサーを設置。海の状況を常に把握することで、稚貝を確保するための判断や、状況に応じた筏の移動など、養殖環境に応じた対策を迅速に行えるようになりました。
また、採苗(さいびょう)と呼ばれる、天然の牡蠣の幼生をホタテ貝の殻に付着させる工程では、AI技術を活用。目に見えない海の中で行われる繊細な作業において、幼生の付着状況を確認し、適切な採苗時期や採苗数を判断する手助けとなっています。

自然相手の難しい仕事だからこそ、これまでの経験に加え、データや技術も活用しながら、安定した牡蠣づくりに取り組んでいます。

▶ 地御前漁協の取り組み

地御前漁協では、漁場環境の改善に向けて、かき殻散布や海底耕耘、植林活動などを継続的に実施。
こうした持続可能な生産への取り組みが評価され、牡蠣養殖では初めて、国の認証制度「MEL」を取得しています。

シンプルが一番、生産者おすすめの食べ方

「毎日食べても飽きないんですよ」と笑う増木さん。自身も大の牡蠣好きで、一番のおすすめは、お湯でさっと茹でて、ポン酢にもみじおろしとネギを加えて食べるシンプルな食べ方。「先代から受け継いできた地御前かきを、私たちの代で潰すわけにはいかない。これからも良いものを作っていきます」。
マルシン水産の牡蠣は、東京の豊洲市場など全国へ出荷されるほか、地元廿日市の飲食店でも味わえます。
工場に併設された直売所では直接購入が可能。定休日は日曜と水曜です。

生産者名マルシン水産 増木 進一さん
生産地域廿日市市地御前5丁目13−5
生産物牡蠣(地御前かき)
生産時期11月〜5月末を予定
購入可能場所直接販売:マルシン水産 工場併設直売所(廿日市市地御前5丁目13−5)
定休日:日曜・水曜
取扱店舗:にかいのてっぱん キッチンK、お好み焼き 千富、広島お好み焼き 熊吉 ほか